外構工事(エクステリア工事)を行えば、防犯性を高めることは可能です。例えば、家の周りを敷地で覆い隠してホームセキュリティを取り入れれば、泥棒に侵入される可能性を大幅に下げることができます。
しかし、あなたの敷地内だけ防犯性が向上しても、道路に一歩出たら不審者だらけでは出歩くことすらできません。本当の防犯とは、「不審者が近づくことすらできない場所」を作ることです。
ただ、都心部でない限り、夜道には街灯しかありません。そのため、誰かに後ろをつけられたり見張られたりしていても、気付くことができません。
近年では、夜になるとプライバシーを確保するために、シャッターを閉めたり遮光(光を遮ること)カーテンを締めたりしてしまうため、外に光が漏れることがありません。このこともあり、夜道は真っ暗になり、人がいるかどうか確認することすらできません。
そこで、あなたの家の光をあえて外に漏らすことで、夜道を少しだけ明るくします。そうすることで、あなたの家の前の道は明るくなり、不審者が近寄りがたい空間を作り出すことができます。できれば、危険な夜道を街灯だけに頼るのではなく、近隣の方々と共に地域の防犯を行いましょう。
日常茶飯事に繰り広げられる犯罪
住宅の犯罪で、放火の次に金銭的にも精神的にも追いつめられるのが空き巣被害です。金目のものを盗まれるだけでなく、想い出の品や大切にしているものまで盗まれたり壊されたりするからです。
実際に、色々な人と話をしていれば、「隣家が空き巣に入られた」というのはよく聞く話です。
防犯対策として、シリンダーキーや防犯ガラス、音の出る砂利、視線を完全に遮らない塀などがあります。ただ、防犯性の高いエクステリアにすればするほどお金がかかるため、これらを全て採用するには金銭的な問題が発生します。また、ホームセキュリティに加入した場合、毎月の管理費がかかることも忘れてはいけません。
お金をかけずに防犯性の高い庭作りを行うためには、オープン外構(敷地内を隠さずに、開放的にするエクステリア)を採用するほかありません。
ただ、敷地内を見せることで防犯性を高めることが狙いなので、生活する家の庭が殺風景になり、プライバシーを確保するのが難しくなります。つまり、「防犯のために生活を犠牲にしなければならない」ということです。
そうはいっても、プライバシーを確保しつつ防犯性を高めることは可能です。特に、不審者が蔓延する夜は簡単に防犯対策ができます。
室内の明かりを外にもらす
近年では、プライバシーが多く騒がれるようになりました。このこともあり、カーテンは遮光性の高いものが多く出回るようになり、室内の様子が覗かれる心配は無くなりつつあります。しかし、室内の光が漏れることが無いため、道路には街灯以外の明かりがありません。
街灯があるといっても、その数は少ないため、真っ暗な人気のない道を歩いて帰るのは不安で恐怖が付きまといます。女性の方はもちろんのこと、男性でもよほど体力に自信のある方意外は怖いと感じてしまいます。
もし、あなたのお子さんが塾や遊びに行って帰りが遅くなることを考えると、心配で外に出歩かせたくなくなります。
そこで、家の中でも、見られて問題ない廊下や階段の窓から、室内の明かりを意図的に漏らすようにします。そうすることで、暗い夜道を照らすだけではなく、人が通ることで人影ができ、常に家の中に人間の気配をかもしだすエクステリアになります。これが防犯に繋がる理由です。
また、室内だけでなく、庭を直接ライトアップするのも効果的です。門扉やアプローチ(敷地の入り口から玄関までの路)にライトを設置することで、庭だけでなく、面した道路にも明かりを届けることができます。
エクステリアに照明を取り入れることで、防犯性を高めるだけでなく、優しい光があなたの帰りを出迎えてくれます。明かりがあるのとないのでは、訪れた方に与える印象が全く異なります。照明がついているだけで、足元のライトが通路を示し、お客様をもてなしてくれます。
外構に灯る光は、あなたの家族や来客には安心した明かりになります。その反面、侵入者に対しては嫌な光になります。
これを地域ぐるみで行うことで、夜道が明るくなり、近隣の防犯につなげることもできます。また、防犯性だけでなく、照明は建物自体を美しく見せる効果ももっているので、庭をライトアップする効果は高いです。
もし、お金をかけずに防犯性を向上したいのであれば、家の外に光を漏らすことから始めてみましょう。不審者を中に入れないために行うのではなく、近づきづらい環境を作ることが一番効果的な防犯対策です。