近年では、純和風住宅を建てる方が少なくなり、洋風住宅やモダンスタイルの住宅が目立つようになりました。とはいっても、和風住宅もまだまだ人気はあります。
外構工事(エクステリア工事)を行う際は、これらの建物の様式に合わせたデザインが必要になります。洋風の建物に対して、和庭の外構工事を行ってしまうと、ちぐはぐな印象を与えてしまうからです。
ただし、どの様式にもマッチしたデザインを演出できる手法は存在します。それは、「照明」を活用した外構工事です。ライトを上手に配置することで、見違える外観になります。
明かりは、「私たちの生活になくてはならない」という一面と、「癒し」という一面の二種類の顔を持ち合わせています。また、照明器具を適切な場所へ配置したり、明るさで雰囲気づくりをしたりすることを「ライティング」と呼びます。
一昔前では、インテリアライティング(室内照明)にこだわりをもって室内空間に広がりのあるデザインにしたり、温かみのあるイメージを持たせたりする手法が流行していました。
現代では、ライティングという分野は一般家庭の住宅の外構工事にも頻繁に使用されるようになっています。
そこで、このページでは照明の基礎知識ついて詳しく解説をしていきます。庭にライトを設置する有効な方法を以下にまとめました。
照明は建物の印象を大きく変える
単にライトといっても、さまざまな種類があります。外構に使用する照明の種類は、蛍光灯のような青白い光を放つものではありません。ほのかに明るく感じる、ろうそくのような暖かい光が好まれます。夜に青白い光を放つ蛍光灯を庭に設置しても、ムードを出すのが難しいからです。
例えば、バーカウンターや料亭、ホテル、旅館などの良い雰囲気をかもしだしている空間は、例外なくろうそくのような柔らかい光を放つ照明を採用しています。また、照明器具自体を見せるのではなく、「明かりそのもの」を感じさせる間接照明(ライトの光を天井や壁に当て、反射光によって間接的に照明する方式)が主流です。
間接照明の魅力は、「明かりを当てる方法で効果が千差万別になる」という点です。
例えば、壁や床をさらに個性的にしたい場合、影で質感を表現したり樹木やオブジェなどを照らしてより美しく見せたりできます。
私たちが生活している中には、先ほど上げた公共施設や商業施設など、どこを見てもお手本になるデザインがひしめいています。これから出かける際は、照明の配置に気を付けて見てください。ライティングの手法に目を凝らすと、普段は何気なく見ている外構もテクニックや面白みにあふれていることに気がつきます。
照明を活用してオシャレな外観を演出する
そもそも、エクステリアのデザインは家々で大きく異なります。そのため、まずは外構の様式を明確にし、スタイルに合った工事内容を細かく決めなければいけません。例えば、以下のように行いたい外構を箇条書きしておけば、外構専門業者(エクステリア業者)のヒアリングがスムーズに進みます。
・庭全面を芝生にしたい
・テラスが欲しい
・物干し場が欲しい
・ウッドデッキを設けたい
今までの外構は、どの家庭も同じような外構工事を行うのが主流でした。
しかし近年では、インターネットや雑誌を開けば、オシャレな外構例を大量に入手できます。雰囲気のある外構の種類を見ているたびに、「私の家の外構もこんな風に見栄えのある外観にしてみたいな……」と多くの方が思うようになりました。
このような時代背景の中で、外構専門業者は照明の活用法や見せ方を工夫し、より観賞価値の高い空間づくりを提案し始めています。
そこで、最もポピュラーで簡単に照明を活用する方法を紹介します。それは、「植栽を下からライトアップする」という手法です。
中でも、スパイク型(土に差し込めるタイプ)と呼ばれる形の照明は、コンセントさえあれば場所を選ばずに設置できるのでお勧めです。
日中は何気なく植えてある樹木でも、ライトアップすることで、一風変わった姿を楽しめます。また、風で枝葉が揺れ動くことで、植栽の陰影を楽しむこともできます。
ただし、近隣住民に迷惑がかかるような場所に照明を配置しないように気を付けてください。例えば、隣りの家の寝室に明かりが届いてしまう場合、トラブル発生の原因になりかねません。
また、上手に明かりを活用する秘訣は、「さりげなく配置すること」です。先に述べた間接照明のように、照らし出す構造物の魅力を引き出すように配置しましょう。
つまり、照明は雰囲気作りをするための一つの道具に過ぎないということです。
もし、あなたも「外構にライトを取り入れてムードある外観を演出したい」と考えるのであれば、間接照明や植栽のライトアップから始めると良いです。
また、照明は電気代がかかるので、省電力かつ長持ちするLEDの活用をお勧めします。照らし方や配置など、試行錯誤してさまざまなパターンを試してみましょう。