外構工事(エクステリア工事)を行う際は、隣近所とのトラブルに巻き込まれないために、気をつけておくべきポイントがあります。それは、「きちんと境界(お隣さんとの敷地の境目)を守ること」です。これを守らないで勝手に工事を始めてしまうと、お隣さんとのトラブルの原因になりかねません。
そこで、外構工事を行う際、あなたの敷地を明確化するため、測量(精密機械で正確に土地の範囲を求める作業)を行います。そして、右の図のような境界プレートや境界杭を打ち込んで、敷地を目視できる状態にします。
これを行うことで、工事を行う土地を目いっぱい使用できるようになります。また、あなた自身の敷地が分かるため、お隣さんの敷地も把握できるようになります。
つまり、「測量を行うことで、隣近所と敷地争いのトラブルに巻き込まれなくなる」ということです。それどころか、お互いに納得して工事を始めることができるため、場合によっては工事費用を折半することも可能になります。
境界工事で気をつけるべきこと
前述の通り、境界を明確にしておかなければ、お隣さんとのトラブルの原因になります。お隣さんと仲が良いとしても、勝手に工事を行ってはいけません。工事を行う際は、ひと声挨拶をした上で測量を行い、境界を明確にします。仲が良いからと言って勝手に工事を始めてしまうと、必ずトラブルに発展します。
なぜなら、土地はその家の財産だからです。お隣さんの土地を無許可で使用するということは、お隣さんのお金を勝手に使用していることと同じ行為に当たります。また、工事で設けたものはすぐに動かすことができないため、急に敷地争いに発展したとしても、すぐに解決することができません。
これから先、何十年もその場所に住まなければいけないことを考えると、毎日顔を合わせるお隣さんとは仲良くしていきたいと思うはずです。
なお、境界工事を行う際は、基本的に外面(赤い線)を境界にして工事を行います。右の写真の場合、外面があなたの敷地目いっぱいになるため、ブロック一つ分だけ敷地が小さくなります。
もし、誤って内面(青い線)を境界に合わせてしまうと、ブロック一つ分がお隣さんの敷地に入ってしまいます。そのため、間違いなくトラブルに発展します。
ただでさえ隣近所に迷惑をかける外構工事で、敷地まで奪われて怒らない人はいません。
お隣さんとお金を出し合う
一方、境界を考慮して行う外構工事の中には、お隣さんとお金を出し合って行う工事があります。
例えば、見切り工事(敷地を区切るもの)を行う場合です。塀などで境界を区切る際、塀の中心を境界にして工事を行います。この工事にかかる費用をあなたとお隣さんで「工事費用を半分ずつ持つ」というケースが非常に多くあります。
この場合、お隣さんと話し合いを行い、お互いの好みや予算に合わせて工事を行います。そのため以下のように、予算に応じて妥協しなければいけないところもあります。
・お互い半分ずつ費用を出し合う
・6:4などと支払う金額の比率を変更して、あなたの希望を多めに取り入れる
・いくつかでる案の中から安い金額の工事を行う
・どちらかのお宅が高額の工事を行いたい場合、その差額を負担する
工事料金を両者で支払うため、お互いに納得できる金額にしましょう。お隣さんと仲良くするためには、共に意見を出し合うことがとても大切です。
このように、境界を元に発生するトラブルは非常に多い上に厄介です。ただ、外構工事を行うためには、周り近所の協力が必要不可欠になります。外構工事を始める前に、お隣さんにも境界を確認してもらうようにしましょう。