外構またはエクステリアとは、「外観・外部」という意味をもちます。屋外工作物の総称として、インテリアの対語のように使用されてきました。見栄えのある表構えを演出するためには、建物と外構の調和が必要不可欠です。
しかし、外構工事(エクステリア工事)を行おうと考えたとき、大半の方は見た目を重視しがちです。十年後も使い勝手の良いエクステリアを作る場合、機能性や耐久性をきちんと考慮しなければいけません。
中でも、全体のバランスは非常に大切です。格好を重視するのはもちろんのこと、全体が釣り合うように設計しなければ、良いデザインと呼べません。バランスの悪い外観の建物は、無意識にちぐはぐな印象を与えてしまうからです。
また、エクステリアは建物全体の第一印象を決める大切な役割を果たしています。そのため、周り近所の方や通行人に、住んでいる方の性格をイメージで決められてしまいます。
要は、「外構のデザイン=建物(世帯主)の顔をデザインする」ということです。家や外構を含め、敷地内の全域をまとめ上げるためには、建物と外観の調和がどれほど大切か理解できます。
そこで、マイホームとエクステリアの全体のバランスの考え方を、以下で詳しく説明していきます。両者が釣り合うことで、風格が増し、見栄えのある外観になります。
玄関の正面に力を入れる
エクステリアのプランを考えたとき、まず初めの作業は、その家の「顔」の部分を固めることにあります。一般的には、道路に面した玄関の正面を顔として考えます。
ただし、都心部などの限られた敷地の中に隣接している建物の場合、玄関が正面とは限りません。そのため、立地条件によって正面となる場所は異なります。そこで、今回は分かりやすく玄関のある面を顔として考えます。
次に、どのようなデザインが最もふさわしいかを考えます。このとき、建物の雰囲気からかけ離れた提案を希望してはいけません。
例えば、洋風住宅にも関わらず、純和風外構を採用してしまうと、ちぐはぐな印象を与えて違和感しか印象に残りません。主役であるマイホームをより引き立てられるエクステリアデザインの提案こそが、「建物が最も光るとき」ということを覚えておいてください。
ただ、洋風住宅であっても、和モダンなどの外構を採用することは可能です。つまり、「バランスが大切」ということです。
建物の風格を示す玄関
エクステリアの見せ場は、表札の設置するエリアです。この場所がまとまらなければ、全て台無しになります。表札は最も大切なキーアイテムなので、慎重に決めましょう。
表札を選ぶ際、ポストやインターホンといった、日常的なアイテムとのバランスにも気を配ります。
また、材料の点では、右の写真のように建物との一体感を保つことを意識してください。そして、より個性的に見せる演出が大切です。その差別化は、材料で表現します。
石やレンガ、コンクリート、金属系と多種多様な素材を上手に配置することが、見栄えのある外構になるかどうかを左右します。このとき、外構専門業者(エクステリア業者)に複数の提案を見せてもらい、その中から決めるようにしましょう。絶えず全体を把握しながら、細かい部分のデザインを調整してもらうことが目的です。
仕上げは、植栽と照明です。これらをカットしてしまうと、味気ない外観になってしまいます。
もちろん、「両方とも私には必要ない」と考える方がいるのは事実です。ただ、あなたが希望するか否かに関わらず、必ず一度は提案するようにしてください。さりげなく照明を設置することで、エクステリア全体が雰囲気のある外観になります。
当然ながら、建物と調和しない場合、無理やり採用する必要はありません。あくまでも、全体のバランスを考慮して見栄えのある外観を目指してください。
このように、細部に至るまでバランスに気を配る必要があります。そうすることで、「建物の顔」として、全体の印象を引き締めることが可能になります。外構プランをこれから考える方は、全体のバランスに注意しながら、個性的な外構作りを目指してください。