外構専門業者(エクステリア業者)と工事の契約を結ぶ際、必ず契約書を作成して取り交わします。この契約書を結ばない限り、業者と工事の契約が完了することはあり得ません。
そのため、外構工事(エクステリア工事)のプランニングが進んでいたとしても、契約書を署名していないのであれば、全てを白紙に戻すことが可能です。
しかし逆にいえば、「契約書を交わしてしまうともう断ることができなくなる」ということになります。工事を進めている途中に不具合が発生しても、契約書の内容に従って工事を行わなければいけません。そのため、「約束が違う」と思って不服申し立てをして裁判を起こしても、判決で勝利することは極めて難しいです。
なぜなら、契約書にはきちんと細かい内容まで記載をして、それに納得した上で契約書を取り交わす義務があるからです。
つまり、「業者が提示した内容について同意した」ということになるため、後からクレームを付けても無効になるのです。
このようなことを避けるため、契約書には必ず目を通しておいてください。これを怠ってしまうと、以下のような恐怖が待ち受けています。
工事費用で騙される
最も気をつけなければいけないことは、見積もりと違う料金を請求されることです。
例えば、契約を結ぶ前は丁寧で素晴らしい対応をしてもらった上に、予算内で満足のいく工事を提案してきた業者がいたとします。すると、「優良業者だ」と思うため、「工事の契約をすぐにでも結びたい」と考えるはずです。
しかし、ここには大きな落とし穴が待ち受けています。それは、契約書です。契約書全てに目を通す人は少ないため、業者側の細かい要求が記載されていることに気付かずに、契約を結んでしまうパターンは多いです。
私が職人だった頃、契約書の中に、「現場の状況に応じて、料金の変動があります」と書かれていることに気が付かずに工事の契約を交わした人がいました。その人は、アプローチ(敷地の入り口から玄関までの路)を予算150万円で外構専門業者へ依頼していました。
しかし、工事を始めてみると、土と地盤が悪いことが分かりました。そのため、土を入れ替えたり地盤改良を行ったりして工事料金が200万円になってしまいました。ヒヤリングをきちんと行い、見積書では150万という金額が出されていたにも関わらず、50万円の追加料金が発生してしまったのです。
するとその人は、「話が違う」と騒ぎたて、業者へクレームをつけに行きました。しかし、先に述べたように、契約書に「現場の状況に応じて、料金の変動があります」と書かれていたため、話すらしてもらえなかったといいました。
このようなことを避けるために、契約書にきちんと目を通しておく必要があります。契約書の中でも、料金に関わることはトラブルの元です。そもそも、大切な話を隠して、お客様が気づきにくい契約書の隅に落とし穴を用意しておくこと自体が悪質です。
分からないことはすぐに尋ねる
契約書を確認して、業者側から説明をされていない項目を見つけたら、すぐに尋ねるようにしてください。
また、その内容についてあいまいにしたり、とぼけるような態度を見せたりしたら、すぐに契約を破棄する必要があります。ただ、中には本当に説明を忘れてしまう業者もいるため、見極める目を持たなければいけません。
優良業者というのは、お客様が気になるところや分からないところといった、痒い所に手が届く提案をしてくれます。
外構工事は、絶対に安さで決めてはいけません。このルールを破った瞬間、外構工事で失敗することを意味します。単に安い業者ではなく、「充実した内容を提案してくれる業者であれば、少し高い費用の工事でもそちらを選ぶ」ことがポイントになります。
なぜなら、外構は建物同様、一生涯付き合っていくものだからです。目の前の小銭を拾わずに、何十年先も見据えた工事を行わなければいけません。そのためには、品質の良い工事を行い、長い年月見栄えが変わらない外構を作ることを意識してください。
ただし、中には品質の高い工事を安い値段で提案してきてくれる優良業者も存在します。つまり、優良業者は「予算を元に工事内容を決めるため、工事費用を安く抑えることができる」ということです。
このように、デザインや値段で業者を決めてはいけません。まずは優良業者を見つけて、そこからあなたにピッタリの外構工事をプランニングしてもらいましょう。