外構工事(エクステリア工事)のプランニングを行う際は、庭単体のデザインや機能性を考えるのではなく、建物とのバランスを見てプランを構成していきます。住まいの見栄えは、住宅とエクステリアがマッチして初めて風格のある外観になるからです。
大半の方は、本やインターネットで紹介されているようなデザイン性の高いエクステリアを求めてしまいます。たしかに、専門雑誌やウェブ上で紹介されている庭は見栄えがあり、機能性も充実しています。
しかし、それらで紹介されている庭はその家の世帯主の生活スタイルに合った庭であるため、必ずしもあなたの望んでいる外構ではありません。
例えば、都心部のように住宅が密集している場所に住んでいる方が、雑誌で紹介されているようなオシャレで手の込んだ駐車場を再現してエクステリア工事を行うとします。見栄えのある外観になることは間違いありませんが、駐車場の本来の目的は「駐車すること」であるため、使い勝手が悪い可能性があります。
また、手の込んだ庭作りは手間暇がかかるため、一般の外構工事よりも高額な工事費用がかかります。多額のお金をつぎ込んだにも関わらず、車の出し入れにストレスを感じるような駐車場では元も子もありません。
そこで、エクステリア工事を行う前に、外構専門業者にきちんと現地調査を依頼するようにしましょう。そうすることで、あなたに合った庭を提案してもらうことができます。このページでは、「プロである専門業者が重点的に見ている場所」を紹介します。
現地調査を行う理由
まず、エクステリア業者があなたの庭に現地調査を行いに来るまでの流れを知る必要があります。もちろん、電話をしてすぐに現地調査に来るわけではないので、安心してください。
エクステリア業者と出会ってから、業者を選択するまでの流れは「業者選び→ヒアリング(打ち合わせ)→現地調査→計画案の提示→修正・再提出→業者決定」という流れです。
ただ、実際に契約を結ぶ前に業者と関わりを持つということに抵抗がある方は多いです。しかし、あなたにとって最善の提案を行うために、現地調査は非常に大切なことです。あなたからヒアリングした内容と、現地の状況の両方を考慮して業者は必死にプランを立ててくれます。
これらの過程の中で、あなたが望んでいるエクステリア工事をあなたの家に合った形で実現してくれる業者が見つかることでしょう。そこで、不安な点や望んでいる内容はすべて相談するようにしましょう。
現地調査でプロが見ている場所
打ち合わせ内容を実現するため、専門業者は通常1~2時間程度かけて現地調査を行います。干上がりや風通しといった環境的な条件を見たり、隣家との位置関係や配管などの敷地条件を調査したりして、具体的なプランの作成につなげていきます。
近年では、建物とエクステリアの一体感を持たせるために、各部屋から見えるエクステリアがそれぞれ異なるようにするのが主流です。
例えば、畳のある和室の部屋から見える庭は和庭にしたり、リビングなどの洋室から見えるエクステリアは洋風の外構にしたりするといった具合です。
室内とのつながりを重視して庭作りを行うために、間取りや家具の配置などを確認するために室内に上がって調査を行うことも少なくありません。また、オーナーであるあなたのライフスタイルや嗜好を確認して、デザインに活かすこともあります。
現地調査では、以下のような場所を重点的に確認していきます。
・日当たり
・湿気
・周囲の景色や隣接関係
・庭の大きさ
・土質
・水道メーターの場所
・水道管をはじめとする地下埋設物
・外部コンセントの位置
・エアコンの室外機の位置
……
デザインによってチェックするポイントは異なりますが、主にこれらの内容を確認してデザインをしたり、見積もりを出したりします。現地調査で工事が難航することが分かれば、予算を見直す必要もあるので、細かいところまで見てもらうようにしましょう。
庭をリフォームして一新する場合、全てを取り壊して新しくするケースは少ないです。既存の植栽や構造物の中でも、再利用できそうなものはそのままにしておきます。解体にかかる費用を削減するためと、エクステリア工事にかかる費用を抑えるためです。
また、具体的な困りごとがある場合は、その状態を調査または確認します。ライフスタイルの変化(子供が生まれたなど)も確認することがあるので、応えられる範囲で質疑応答していきましょう。
このページで述べてきた内容を理解すると、「営業をするために現地調査に来るわけではない」ということを理解できます。あなたにとって最適な庭づくりを行うために、率先してヒアリングや現地調査を行い、思い描く理想のエクステリアを作り上げてください。