職人さんのイメージの中で最も多く挙げられるのが「恐い」ということです。ほとんどの人が普段関わったことがない業種の人なので、話をしたことすらないのではないでしょうか?
しかし、実際はそんなことありません。話をしてみると、みんなこだわりをもっていて、良いものを作ろうと努力をしています。
「こだわりがある」ということは、「良いものを作ろうとしている」ということです。そんな職人さんと仲良くなることができれば、色々な知識を教えてくれたり、より丁寧な仕事をしてくれたりする可能性が高くなります。
私も職人を務めていたときは、お施主さん(工事依頼主)とのふれあいを大切にしていました。お施主さんと話をしてみると、色々と気になっていることや、望んでいることに気付くことができます。逆に考えれば、職人さんと話をしてみることでものづくりが見えてきます。
例えば、ブロックの並べ方やコンクリートの品質管理、植栽を植える際のポイントなどを細かく教えてくれます。
また、職人として丁寧な仕事をするのは当たり前なのですが、お施主さんとのふれあいを通して「信頼」が生まれ、「この人の為にいいものを作ろう」という考えになることを肌で感じてきました。
挨拶は当然のことながら、一緒に休憩をしたり、ひと声かけてみたりすることで、出来上がった構造物と共に「工事をしていた時間」が思い出になるのです。
職人さんも同じ人間
最近では、職人さんとお施主さんのコミュニケーションが少なくなってきています。職人さんは「工事をしにいくだけ」で、お施主さんは「工事をしてもらうだけ」になってしまっています。どちらも当たり前のことなのですが、決して短くない工事期間にコミュニケーションをとることで、「お互いが求めているもの」を共有することができます。
例えば、家の周りに塀を設ける工事をするときに、植えられていた木を撤去するとします。もしかしたらお施主さんは、その木の中でも「昔から植えてある大切な木」があって、別の場所に植えて欲しい可能性があるかもしれません。
職人さんは「木を撤去して塀を設ける」とだけ聞いていたら、その「大切な木」を撤去してしまうでしょう。ここでいざこざが発生するパターンは非常に多いです。
お互いにひと声かけていれば仲良くなり、会話が弾んで気持ちよく工事が完了していたことでしょう。外構工事は小さな工事でも何十万円もするので安い買い物ではありません。高額な料金を支払うのであれば、「いざこざを起こして工事を気持ちよく終われない」ことを避けなければいけません。
上記のようにいざこざを起こさないため、普段からコミュニケーションをとることで外構工事を満足のいくものにすることが望まれます。
お施主さんの場合、職人さんに話しかけづらいのであれば、「休憩のお茶」を出してみることが非常に効果的です。特別なものを用意する必要はありません。大切なのはお互いに「感謝」の提示をすることです。
お茶を出してもらった職人さんは、悪い気分をする人はいません。お茶がきっかけで話が広がれば、あなたの望む「ああして欲しい」や「もっとこうして欲しい」を聞き入れてくれるでしょう。
私の経験上、お施主さんとの距離が近ければ近いほど、職人さんの「ものづくりへの思い入れ」が変わっていきました。
挨拶を交わすこともない他人同然の人のために、予算が決まった仕事以上の仕事をする人は少ないです。
しかし、挨拶を交わし、会話を重ね、信頼が生まれた間には、仕事以上の感情が入ってきます。ほんの少しコミュニケーションをとることで、職人さんはお施主さんに対して「いつも良くしてくれるお施主さんのために、より良いものを作りたい」と考えるはずです。
何度も言いますが、大切なのは「気持ち」です。お互い感謝をし合うことによって、品質の高い外構工事を望むことができることでしょう。