外構工事(エクステリア工事)を行う際、ほとんどの人が工事費用のみにフォーカスしがちです。
しかし、費用の安い工事を選んでしまうと、すぐに壊れて作り直しをしなければならず、頻繁な整備によっても余計な費用がかさんでしまいます。特にメンテナンスを必要とする構造物は、管理費用が永続的に発生します。
例えば、工事費用が比較的安価な芝生を設ける工事の場合、こまめな手入れを行わなければいけません。芝刈りや水やり、あるいは肥料を与える必要があります。これが一生涯続くと考えると、工事費に対する費用が高額になることに気付きます。
たとえ一万円で工事を行うことができても、毎月のメンテナンス費用が5千円かかってしまうと、年間で6万円支払うことになります。
これが何十年も続いてしまっては、家計を圧迫する出費になりかねません。
特に、工事費用が異常に安い業者は要注意です。なぜなら、手抜き工事を行い、すぐにボロボロになってしまうような工事を行うからです。安い代わりに保障がなく、修理や作り直しにかかるお金は実費で支払わなければいけません。これにメンテナンス費用が加わったら、家計は火の車です。
「本来は高額であるはずの工事費用が安い」ということには、裏があります。要は、外構工事は落とし穴だらけだということです。
そこで、工事費用が比較的安価な上に、管理費のかからない外構工事プランをいくつか紹介します。
家計にやさしいメンテナンスフリー
前述の通り、何十年も管理費を払い続けることは、家計を圧迫する出費になりかねません。外構工事を賢く節約するには、「長い目で見る」ことが大切になります。長い目で見るというのは、メンテナンスフリーで同じ外観を保ち続けることを指します。
例えば、維持費がかからない工事の代表に、コンクリートを使用した工事が挙げられます。コンクリートは耐久性に優れている上に、草が生えたり形が変わったりしません。追加で料金が発生することもなく、非常にお勧めの工事です。
ただ、コンクリートは材料代が非常に高額なため、工事費用も必然的に高額になってしまいます。
そこで、二次製品(にじせいひん)を使用した工事をお勧めします。二次製品とは、既に加工されて商品になっているもののことを指します。
工事の規模にもよりますが、二次製品を使用すれば、工事費用を何十万円も安くすることができます。工場で作られているので、JIS規格(日本工業規格)を通過した高品質のものだけが使用されます。
また、化粧(色や柄がついたもの)を施したものを使用すれば、見栄えがある外観を演出することも可能です。
「コンクリートを使用した高額な工事であっても、少し工夫することで工事費用を抑えることができる」ということです。外構工事のプランに、二次製品を使用する工事を候補に入れておきましょう。
ただ、二次製品は個人では購入できないため、外構専門業者へ無料見積もりを行う際などに相談するようにしましょう。
質の高い人工構造物
メンテナンスフリーの外構は、コンクリートだけではありません。中でも、人工芝を使用した外構はとても経済的です。
人工芝と聞くと、安っぽいイメージを思ってしまいがちですが、最近の人工芝はとても高い完成度をほこっています。
人工芝の中でも、「リアル人工芝」と呼ばれるものがあります。
見た目は本物そっくりで、「一目見ただけでは人工芝だと気付く人はいないのでは?」と思ってしまうほど自然な作りをしています。
人工芝の下に、「防草シート」と呼ばれるシートを敷いておけば、雑草が生える心配もありません。さらに、本物の芝生ではないため、害虫が湧いたりメンテナンス費用がかかったりしないのが一番のメリットです。
また、人工的に作られた芝なので、業者に依頼しなくても自ら工事を行うことができます。きちんと水勾配(水はけを良くするための傾斜)を作り、下地作りに力を入れれば非常に少ない資金で作り上げることが可能です。
このように、はじめから形(商品)になっているものを使用することで、外構工事の費用を大幅に削減することが可能です。外構の内容を考える際は、値段や見た目だけでなく、メンテナンス費用も考慮してプランを立てるようにしましょう。
ただ、人工芝を敷く場合であっても、下地を平らにしつつ水勾配(排水のための傾斜)を設ける必要があります。
適当に敷いてしまうと、水が溜まって苔が生えたり、虫が湧く原因になるのでプロである外構専門会社に依頼するようにしましょう。
また、あなたの家に合った最適な提案は現場を見ながらでなければできません。家の配置や建物が建っている高さ、外観のデザイン、他の家との調和、を確認しながらでなければ、あなたの理想の庭の提案は机上の空論になってしまうからです。
また、作業のしやすさや現場の状況で工事費用は大きく変動するため、必ず現場を見てもらって見積りを作成してもらいましょう。