外構工事(エクステリア工事)を行う前に、やらなければならないことがあります。それは「見積もり」です。見積もりは、工事の金額が分かるだけでなく、ヒアリングも同時に行うことができます。ヒアリングとは、お客様の要望を細かく聞き入れる作業のことを指します。
外構専門業者(エクステリア業者)を選ぶ際は、3社以上に見積もりを依頼して、あなたにもっとも適した業者を選ぶ必要があります。その中で、あなたの要望を細かく聞き入れてくれ、なおかつ予算内に収めてくれる業者は優良業者といえます。
詳細なヒアリングと自宅の現状調査(工事を行う場所の明細を調査すること)の後、正式な見積書が出ます。
ここで一つ注意が必要です。それは、「見積書の見方を誤っている人が多い」ということです。ほとんどの人が、工事費用の総額のチェックばかりを行いがちです。しかし、見積書の中にはあなたにとって大切な内容がたくさん含まれてします。
そこで、最低でもチェックをしておいた方が良い場所を以下で紹介します。
見積書の単位に着目する
まず、仮の見積書を作ったのでこちらをご覧ください。
これは、駐車場工事の見積もり表になります。業者によって工事名称や単価、金額がそれぞれ異なります。この見積書から、単位の項目に「一式」と書かれたものがあることを確認できます。
この一式という表現は業者ごとに異なるため、注意しなければいけません。見積もりでは、行う工事に対して金額が明細に決められています。工事内容をあいまいにされないためにも、「一式と書いてあるものは、どのような内容のものですか?」と業者に聞いてみましょう。
例えば、業者Aは土工事一式の内容が、「土を掘り、それを捨てて、最後に埋め戻すまで」を指しているかもしれません。一方、業者Bの場合、「土を掘るだけ」かもしれません。
業者側は、見積もりの表記をあいまいにして金額をごまかしているパターンが多くみられます。しかも、大半のお客様は外構の知識がありません。騙されて損をしないためにも、見積もりを細かく調べて、納得いくまで確認しましょう。
見積書は、金額を明らかにするだけのものではない
見積書は、デザインや設計が終わって初めて金額を出すことができます。
逆にいえば、これを行わない限り「正しい工事費用を算出することは不可能」ということになります。
例えば、業者Aがデザインに力をいれているのであれば、見栄えの良い材料や素材を使用します。また、きれいに仕上げようとするため、手間暇もかかります。このような業者が出す見積もりはこだわりがあるため、費用は高くなります。
一方、業者Bは一般的に使用される材料を使用し、良く見かける外構デザインを提案してきたとします。このような場合、金額は業者Aよりも安価な値段で工事を行うことができます。
業者によってデザインや使用する材料、あるいは手間暇などが異なるため、金額に大きな差が生まれます。つまり、「それぞれの住宅で外構が違うように、業者の出す見積もりも異なる」ということです。
見積書を手に入れたら、図面やデザイン案と照らし合わせ、どの部分が見積書の項目にあたるのかチェックしましょう。これを行う理由は、先に述べたように、見積もりの表記をあいまいにして金額をごまかそうとする業者から身を守るためです。
見積書について詳しく尋ねる
業者から見積書を出してもらった後は、「なぜこの工事がこの値段になるのか」などと聞いて、説明を受けるようにしてください。これはとても重要な作業です。
このとき、このページで述べてきた通り、「見積書の単位に着目する」ことと「見積書は、金額を明らかにするだけのものではない」ことの2点に注意してください。
この二点について明らかにしておくことができれば、工事の金額に納得した上で工事を行うことができます。
ただし、外構業界は、価格や相場がはっきりしない業界です。
正しい知識を持って業者と話をしないと、「この人はお金がとれる」と思われてしまいます。皮肉にも、無知なお客様を騙して利益を上げている会社は少なくありません。
このような悪徳業者が蔓延している中、外構の知識を蓄えるだけで悪徳業者とは無縁になれます。
お金を必要以上に請求されないためにも、思ったことや疑問点などがあればきちんと業者へ伝えることが大切です。これさえできれば、最短で優良業者と出会うことができるでしょう。