一般家庭の畑は農家のように広大ではないため、多くの種類の野菜を育てることは難しいです。また、庭の一角で野菜を育てなければいけないため、必然的に作物の収穫量は限られてしまいます。
しかし、野菜は育て方によって実をつける数を増加させることができます。一つ一つの作物に気を配ることで、同じ規模の菜園でも2倍近くの収量(収穫量)になることもあります。
そこでこのページでは、家庭菜園で人気の野菜の一つである「玉ねぎ」の収穫量の増やし方を紹介します。
玉ねぎの栽培方法
玉ねぎの栽培方法は、大きく分けて二つに大別することができます。それは、「普通栽培」と「寒冷地栽培」です。
普通栽培の場合、9月上旬~中旬にポットやプランターなどに種を撒き、大きくなった苗を11月中旬~下旬に定植(ていしょく:畑に移し替えること)をします。すると、翌年の6月初旬~下旬頃に収穫することができます。
一方、寒冷地栽培の場合、4月上旬に種を撒き、5月中旬に定植します。すると、8月中旬~9月中旬に収穫できるようになります。
ただ、普通栽培の方が一般的なため、このページでは前者の方法を紹介します。
玉ねぎの収穫量を増加させる方法
前述の通り、普通栽培では秋に苗を定植します。その後、玉ねぎは冬の間に光合成を繰り返して栄養分を根に貯めておきます。
そして、春の訪れと共に、貯蓄しておいた養分を鱗茎(りんけい:地中に埋まっている茎)に送り、玉ねぎとして肥大していきます。
ただし、秋に定植を行うとき、早植え(早い時期に植えること)をしたり大きく成長した苗を植えたりしてしまうと、収穫量が減ってしまう可能性があります。
早く植えてしまうと、光合成する時間が長くなってしまうため、育ちすぎてしまいます。すると、春に開花しやすくなってしまい、鱗茎のために作られた栄養素が花へ取られてしまいます。その結果、玉ねぎは大きく育つことができなくなってしまいます。
一方、巨大な苗も同じように、必要以上に光合成をしてしまうため、結果的に鱗茎が肥大して必要な養分が花に取られてしまいます。
ただ、多くの方はこのことを知らないため、大きい苗を選んで育ててしまい、小さな玉ねぎができてしまいます。中には、玉ねぎとして食べることができるサイズまで成長しないケースもあるため、収穫量が減ってしまう可能性があります。
つまり、苗を植えたからといって、必ずしも玉ねぎを収穫できるというわけではありません。
そこで、秋に定植する苗はできるだけ小さなものを選び、涼しくなってから植えるようにしましょう。このとき、密集させて育てると良いです。
通常、玉ねぎが根を地中深く伸ばすためには、早植えをしたり大きい苗を植えたりすると良いです。ただ、前述の通り、これでは開花してしまうリスクが高まります。そこで、前述の通り小さな苗を近くに集めて植えるのです。
小さい苗の定植の密度を高めると、玉ねぎ同士が助け合って根を地中深く伸ばすことができます。
そうすることで、土中の深い場所まで根を張ることができるようになり、より多くの栄養分を蓄えることができるようになります。そして、春の訪れと共に鱗茎に栄養分を供給するため、定植したほとんどの苗から大きく肥大したおいしい玉ねぎを収穫できるようになります。これが、収穫量を増やす方法です。
玉ねぎを栽培する際は、早植えや大きい苗を定植するのではなく、小さいものを密集して植えるようにしましょう。これにより、玉ねぎの収穫量を増加させることができます。