純和風の外構をイメージすると、日本庭園のような風情ある外構を思い浮かべます。日本庭園といえば、砂利は均等に敷き均され、自然石や植栽が彩を添えた、日本が世界に誇る外構です。洋風住宅が増えてきた中でも、和風の外構は人気の衰えるところを知りません。
しかし、日本庭園のような外構工事(エクステリア工事)を行うには、莫大な費用が必要になります。和風外構は洋風外構に比べると比較的安価ですが、本格的な和風外構を再現しようとすると、十分な予算を用意する必要があります。
植栽または芝生がメインになるため、家の庭全体を良質な土にしなければいけません。草木は生きているため、コンクリートやブロックのように放置してしまうと、そのままの姿を保つことは不可能です。そのため、土を入れ替えたり新たな自然石や砂利の搬入を行ったりする「土工事の費用」が大きくかさみます。
ただし、一般住宅の外構であれば、前述の通り洋風外構に比て比較的安価になることが多いです。優良業者に出会えば高額な工事を工夫して、予算内で想像を超える外構を提供してくれます。
外構業界へ和モダンが浸透
和風住宅の場合、和風の外構をしなければいけないと思い込んでいる方は少なくありません。しかし、近年では洋風外構の普及に合わせて、和風と洋風の中間ともいえる「和モダン」と呼ばれる外構が浸透しつつあります。
和モダンとは、「和」と「モダン=現代的」の融合からきているため、現代風の和庭といえます。
要は、今風の和風外構のことを和モダンと呼びます。和庭の温もりがありながら、静けさやさわやかさを追求したデザインであるため、他の外構デザインでは楽しむことができない雰囲気を味わうことができます。
また、和風外構にはマッチしないはずのコンクリートやブロックを用いることができます。
右の写真のように、打ち放しコンクリート(コンクリートの表面に手を加えない、ありのままの状態)の周りにアクセントとして植栽を植え、砂利や敷き石を並べるだけでシンプルな和モダンを演出できます。
アイディア次第で美しい外観に
コンクリートの冷たい質感の周りに木を植えることで、温かみのある和庭を感じさせます。そして、周りに足跡一つ見当たらないほどきれいに敷かれた砂利の間に並べられた石が、お客様を玄関まで導いてくれます。
このとき、足元を飛び石(歩くために並べられた石の路)にしても良いでしょう。
和庭の醍醐味は「見て楽しむ庭」にあります。来客した方が思わず足を止めてまで見とれてしまう外構を目指すようにしてください。
例えば、建物の周りを取り囲む洋風の塀だけでは、一般的な洋風外構と何ら変わりがありません。しかし、そこに自然石をメインオブジェとして設け、その周りに植栽を植えることで瞬時に和モダン外構へ早変わりします。
和モダン外構の良いところは、「和庭独特の深い味わい」と「洋風でしか味わえないクールなイメージ」があるところです。和モダンを用いた外構工事を行えば、和風と洋風の両方を楽しめます。
外構デザインの中でも、私は和モダンが大好きです。外観に見栄えがあることはもちろんのこと、品がある上に和庭独自の柔らかい印象があります。また、さりげない場所に間接照明を設けたり、植栽をライトアップしたりすることで夜の顔も楽しむことが可能になります。
このように、デザインひとつで和風洋風を超越した外構を生み出せます。外構工事のプランニングで迷っているのであれば、候補の中に和モダンを取り入れてみてはいかがでしょうか。