外構(エクステリア)は、庭、駐車場、外壁などこれらを含めた建物の外にある構造物のことを指します。
外構工事(エクステリア工事)を考える際、「守らなければいけないルール」があります。それは、建物にマッチした外構プランを計画しなけないということです。例えば、建物は純和風なのに、庭はモダンな洋風になっている住宅を時々見かけます。
これは、上半身が着物で下半身がスーツのようなものです。そうならないために、建物にマッチした外構プランを考えなければいけません。チェックポイントを挙げていきましょう。
ポイント① 建物と外構のテーマを統一して考える庭づくり
まず、「見せ方のテーマ」を決めなければいけません。外構工事の内容を考え始めると、あれもこれもと取り入れたくなる気持ちは痛いほどわかります。ですが、和風なら和風、洋風なら洋風のように統一してテーマ決めをしなければ、風変りな外観になってしまいます。
とくに、純和風の住宅の場合、日本に古くから伝わる和庭としての伝統的な様式が確立されています。ここに洋風の要素が少しでも加わると、繊細な和庭の雰囲気に違和感を覚えてしまいます。
和風住宅の庭で失敗しないためには、和庭の知識に深い専門の造園家に工事の依頼をすることをおすすめします。
これまで、職人である私は和庭を作る業者をたくさん見てきました。和庭を専門とする業者は「石ひとつひとつの角度」から「木の配置やコケの生え方」にまでこだわりのある職人さん達が集まっています。細部にまでこだわりを求めるため、出来上がった庭を見ると、それはまさに「圧巻」の一言に尽きます。
和庭の外構工事を依頼するお施主さん(工事の依頼主)は、外構工事を全般として行っているエクステリア業者(外構工事専門業者)に和庭の依頼をしています。
しかし、依頼された業者のほとんどが「和庭造園の専門知識が少ない」ので、それなりの庭を作ることはできますが、和庭を専門で施工している造園家には到底及びません。
洋風住宅においても同じことが言えます。外構工事の言葉を並べてみるとあることに気付きます。
例えば、敷地の入り口から玄関までの「アプローチ」や、屋外空間の「テラス」といった「横文字」がならんでいることに気付きます。これは、洋風には洋風の外構工事を行っているからです。
上記の内容からわかるように、建物と外構(エクステリア)のテーマを統一して見栄えのある外観にしていきましょう。
ポイント② 敷地の広さを考慮した庭づくり
敷地の広さに対して、庭のスペースがどれだけ確保できるかを認識することが大切です。なぜなら、広さによって庭プランがことなってくるからです。例えば植栽が典型的な例として挙げられます。
庭木には低木、高木、成長の早い・遅い、あるいは常緑樹(幹や枝に一年を通じて葉がついている木)や落葉樹(ある季節に定期的に葉を落とす木)といった具合に樹種もさまざまです。
隣近所との距離が密接しているのに、庭木の樹種を知らずに狭い庭に成長の早い木や、落葉樹(もみじなど)を植えてしまうと、隣り家からの苦情がきてしまいます。植栽を植える際には、十分に注意をしなければいけません。
狭い庭で植栽を楽しみたいのであれば、玄関エントランス近くに庭木を植えることで外観が華やかになります。その周りにガーデニングなどをしてみても良いでしょう。
ポイント③ 季節によって楽しめる庭づくり
ポイント②でもお話をしたように、植栽には常緑樹と落葉樹などの種類があります。隣近所に落ち葉を落とすのは迷惑になってしまいますが、落葉樹を上手に活用すると季節の移り変わりも楽しめる庭になります。
例えば、テラスのそばに落葉樹を植えれば夏は日陰をつくり涼を呼びます。また、冬は落葉して太陽の温かい光を浴びながらティータイムを過ごしたり、日光浴をしながら読書をしたりすることもできます。
季節の移り変わりを楽しめる庭を作ることができれば、一年中楽しく過ごせて、新しい発見に出会えることでしょう。今回紹介した庭づくりの3つのポイントを活かして、建物にマッチした飽きのこない庭づくりをしてみはいかがしょうか。