私たちが生活している中で、和風住宅より洋風住宅を選ぶ人たちが増えてきました。それに従い、外構工事(エクステリア工事)も洋風を意識した外構が普及しました。
例えば、化粧ブロック(柄のついたブロック)やレンガを利用した壁、アルミ削り出しのフェンスなど、オシャレな上にメンテナンス不要の外構が主流です。
一方、和風の外構工事が少なくなりつつあります。例えば、自然石を積み上げた石垣や砂利敷き(砂利を敷くこと)などがあります。これらは、洋風の外構工事に比べ、比較的安価に工事を行うことができるメリットがあります。また、応用すれば和風住宅以外の住宅にも使用できます。
ただ、和風住宅を建てる人が少なくなり、同時に純和風を意識した外構が減りつつあります。和風住宅が減りつつある理由は、「家を建てる際、和風住宅だと割高になってしまう」ということです。テレビCMなどで見かける、大手住宅メーカーが作り上げる家は出来上がったものを組み立てるだけの簡単な構造です。
それに比べ、和風住宅は2倍から3倍の手間がかかってしまいます。材料費は洋風住宅と同じくらいですが、伝統的な和風住宅を作り上げるには熟練された職人さんの腕が必要になるため、工事費用が必然的に高くなります。
つまり、「金銭面の問題で、和風住宅を建てる人が少ない」ということです。外構工事は和風住宅の方が安価になるものの、家そのものを建てる場合は和風住宅の方が高くなります。
とはいっても、和風住宅を選ぶ人がいなくなったわけではありません。それどころか、和風の家を既に持っている、あるいは建設中の方はそれだけで人に自慢できます。和風外構の醍醐味は、なんといっても「自然を満喫できること」です。外構に自然を取り入れることで、家の印象が柔らかく優しい印象になります。
自然を取り入れつつ工事費用を抑える
純和風の外構工事は、安い工事を上手に活用することで、見栄えのある外構にすることができます。
前述の通り、砂利敷きを採用することで、工事費用を大幅に削減することができます。一言に砂利敷きといっても、少し手を加えるだけで外観が生まれ変わります。
例えば、右の写真のように飛び石(歩行するための石)を設けることで、和風外構としての味が出ます。また、自然石を使用することで、人工的な外構には出せない風情を演出できます。
この程度の工事であれば、業者に依頼しなくてもご自身で行うことができます。できることを自分で行うことで、工事費用を削減できます。少しずつ費用を浮かせ、大きな節減につなげましょう。
和風外構の醍醐味は、庭の自然を見て楽しむこと
ただ、庭全面を砂利敷きにしてしまうと、殺風景な外観になってしまいます。そこで、砂利を敷いていない場所に芝生を採用すると、緑が映える美しい外観になります。芝は日本で古くから愛されている外構であり、見る人の心に安らぎをもたらします。
例えば、右の写真のように芝生を貼り、その傍らに自然石を並べるだけで素敵な花壇を作り出すことができます。芝生を採用する理由は、とにかく安いことです。
ただ、メンテナンスを怠ると、すぐに枯れてダメになってしまいます。
ガーデニングを趣味にお持ちの方であれば、植栽を植えるなどをして楽しむことができます。
また、砂利敷き同様、アクセントに飛び石を設けることもできます。味のある外観を演出できる上に、芝生を傷めずに庭を散歩することができます。どれも自然が溢れ、訪れた人が思わず立ち止まってしまう魅力的な外構を作り上げることが可能です。
これらの外構全てに共通して言える最大のメリットは、「長い年月が経つほど、深い味わいを楽しむことができる」ということです。コンクリートやブロックなどは、長い間雨風にさらされると、黒くなり表面はボロボロになってしまいます。
一方、自然石を使用している外構は、姿かたちは変わることがありません。それどころか、先に述べたように、時間の経過と共に深い味わいを楽しむことができます。また、質素な外観の中に風情を感じることができる良さが和庭です。まさに、わびさびです。
日本に古くからあるお寺や神社などは全て和風の外構です。小さいころから見慣れている外構には、どこか親しみがあり、心を和ませてくれます。安価な工事を上手に採用して、訪れた人を楽しませることができる庭を作り上げましょう。