庭に植えた植栽がストレスを緩和し、健康を保つ:外構工事

植栽ストレスの緩和

近年では、地球温暖化が問題になる一方で、緑地帯(木や植物を植え、環境保全のために残される土地)を増やす運動を積極的に行うようになりました。

また、草木に触れることが人の心を癒し、健康に寄与するともいわれているため、外構工事(エクステリア工事)を行う方の大半は、庭に植栽を植えています。

人間は動物なので、緑を見るだけで落ち着きます。風や光を調節して、自然を感じることもできます。

実際に、花や木など植物に由来する芳香成分(精油)を用いて、心身の健康や美容を増進する技術、もしくは行為として、「アロマセラピー」があります。庭に植物を植えることによって、アロマセラピーと同じ効果を得られるという結果も出ているほどです。

このことを理解すると、草木と私たちの健康が近くにあることに気が付きます。そこで、植物がどのように私たちの健康に影響を与えているのか述べていきます。この内容を学ぶことで、ストレスを感じやすい方であっても、庭に植栽を植えることで、健康状態を保つことができるメカニズムを理解できます。

健康な状態とは何を指すのか

生物学では、健康な状態を「ホメオスタシス」という言葉で表現します。ホメオスタシスは恒常性(こうじょうせい:生体がさまざまな環境の変化に対応して、内部状態を一定に保って生存を維持する現象)とも呼ばれています。

例えば、夏に体温が上昇したとき、人は汗をかいて体温を下げようとします。このように。人は「一定の状態」を保とうとします。これがホメオスタシス(恒常性)です。

人間の体は「神経系」「免疫系」「内分泌(ないぶんぴ)系」の三つの系で維持されています。神経系は脈拍や血液に関与し、免疫系は細菌・ウイルスに対する抵抗力として働きます。そして、内分泌系はホルモンのバランスをコントロールしています。

この3つのうち、どれか一つでもバランスを崩してしまうと、精神状態はもちろんのこと、健康状態も不安定になります。逆にいえば、この三つがいずれも良好に保たれているということは、「体調が良い、つまり健康である」といえます。

しかし、この良好な状態は、維持するのが難しいです。特に現代社会では、人間関係が大きなストレスとしてのしかかります。そのため、先に挙げた3つのバランスが乱してしまい、体調を崩してしまう人は多いです。健康状態が悪い状態が続いてしまうと、それはやがて病気として表れます。

ただし、ストレスを軽減することができれば、体調が良い状態を保つことができます。

これは、エクステリアに植栽を植えることで可能になります。もっといえば、植物によってストレスの軽減を図るのです。なぜ草木を利用してストレスを軽減できるかというと、植物の緑や香りは「健康状態に対して大きな役割を果たす」といわれているからです。

実際に、観葉植物として室内にも緑が取り入れられている場面をよく目にすると思います。緑を目にすることで気持ちが落ち着き、風で葉が揺れる音や枝葉の木漏れ日によって癒しを感じることができます。

人間以外の動物であっても、森林の伐採や自然界の現象で絶滅を余儀なくされています。つまり、私たち人間を含めた動物は、植物の緑がなければ生きていけないということです。庭にストレスフリーの空間を造りだすためには、植栽を上手に活用しなければいけません。

ただ、ここまでの内容だけでは、なぜ植物にストレス緩和効果があるのかが分かりません。そこで、以下にストレス軽減の根拠を記しました。

植物がストレスを軽減する

草木は根を張って生きているため、外敵に遭遇しても逃げることができません。また、病気にかかったとしても、人間のように薬を買い求めることもできません。そのため、自分自身の中に防御力や治癒力を備えています。

例えば、松を傷付けると出てくる松ヤニは、ドロドロして粘性があるのですが、樹体内ではさらさらの状態で存在しています。

表皮が傷付けられると、細菌が入るのを防ぐためにネバネバした物質に変化して傷口を覆います。人間でいう血液と同じです。血も代わりに固まり、かさぶたを作って傷口を癒します。

一般的に、「フィトンチッド(微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質)」と呼ばれる植物の揮発成分には、殺菌効果も備えられています。実は、この松ヤニは人体を健康にすることが実験でも裏付けられています。

松ヤニを使用した健康食品や美容商品、または漢方に至るまでさまざまな用途で使い分けることができます。

他にも、芝生地やラベンダー畑のような緑地に被験者を入れ、その血圧や脈拍の変化を調べた実験も行われています。このとき、高血圧を患っている人の血圧・脈拍が下がり、低血圧の人については血圧・脈拍を維持、または高める効果が明らかになっています。

ここで気を付けなければいけないことは、「植物の効用が一律に血圧を下げる方向に働くわけではない」ということです。もし、そのようなことがあれば、血圧の低い人は危なくて緑地の中に入れません。しかし実験では、血圧が低い人に対しては、下げずにむしろ「高める」という結果が出ています。

要するに、植物は誰に対しても良い効果を発揮して、体を健康な状態に近づける作用があるということです。

また、冒頭で述べた通り、アロマセラピーなどで知られているように、草木の香りは人をリラックスさせる効果があります。「植物を上手に利用すれば、ストレスを解消しながら人の健康に役立てることができる」ということです。

このページで述べてきた内容を理解すれば、庭に植える植物や観葉植物が、ストレス軽減や健康促進に貢献することが分かります。庭に植栽を植えるスペースがあれば、積極的に採用して、緑豊かなストレスフリーのエクステリアを目指してください。

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