外構工事(エクステリア工事)を行いたいと考える方の多くは、「できるだけ安い金額に抑えたい」と考えます。
しかし、本来の目的は「庭を造ること」のため、値段ばかりを気にしてエクステリア工事を行ってしまうと、手抜き工事をされたり質素な外観になってしまったりします。
庭は建物と同じように、何十年先も使用する空間なため、こだわりを持ってプランニングする必要があります。そのため、庭造りを行う際は「工事を行うからには良いものを造る」という心構えが大切になります。
高額な工事を値切らなくても、オシャレな外構工事を低価格で施工することは可能です。
例えば、花や植栽などを活用した「ナチュラルガーデン(人工構造物ではなく、自然が溢れる庭)」があります。畑や花壇さえあれば素人でも簡単に庭を彩ることができるため、見栄えのある庭を安価にて造り上げることができます。
また、ホームセンターへ行けば庭造りを行うために必要な材料が手に入ります。誰でも簡単に造ることができるように工夫されているものが多いため、DIY(業者に依頼するのではなく、日曜大工のように自分自身で施工すること)を行う方はたくさんいます。DIYを行うことで、工事費用を大幅に削減できます。
そこでこのページでは、ナチュラルガーデンを造る上で欠かせないアイテムの「枕木(まくらぎ:線路の下に敷いてある木材)」の活用方法と注意点を紹介します。枕木はホームセンターや通販で購入できるため、あなた自身でエクステリアを飾ることができます。
枕木を活用してナチュラルガーデンを造る
枕木は電車が走る線路の下に引いてある木材であり、その役目を終えたものを外構に使用します。新品の木材ではないため、中古独特のアンティークな雰囲気をエクステリアに取り入れることができます。
中古といっても、枕木は耐久性が高いため、すぐに腐ったり割れたりしないので安心して活用できます。
ただ、現在の線路の下に敷いてある枕木は本物の木材ではなく、コンクリート制の枕木が採用されているため、木製の枕木は年々減少しています。そのため、入手すること自体難しくなりつつあります。
そこで、今ではホームセンターや園芸店などで、輸入枕木や疑似枕木(プラスチックなどでできている枕木)なども出てきています。これらを含めた全ての枕木は、使用方法次第で「和庭」と「洋庭」の両方のエクステリアにマッチするため、さまざまなシーンで活躍します。
例えば、駐車場やアプローチ(敷地の入り口から玄関までの路)の舗装材として、枕木を使用される方は多いです。電車が上を走っても割れないように、車が乗り上げたところで簡単に壊れることはないからです。
また、足元に並べるだけで雰囲気のある通路を造りだすことができます。枕木で造る通路は素人でも簡単に施工できるので、これをDIYで行えば工事費用を削減できます。
あるいは、レンガや石などの代わりに枕木で囲いを設ければ、花壇や畑の土留めなどとして活躍します。枕木は木材なので、植物との相性は抜群に良いです。
また、枕木は倒して並べるだけではなく、立たせて配置しても良いです。玄関の前に3~5本程度並べて、そこにポストと表札を付ければオシャレな門柱になります。また、覗かれたくない部分に設ければ目隠しとしての役割を果たします。
枕木のデメリットと解決法
ただ、枕木の地中に埋まっている部分は、土中の湿気の影響で腐りやすくなります。そのため、シロアリが巣を造る可能性があるので注意が必要です。
そこで、庭に枕木を活用する場合、必ず防腐剤が染み込んでいるものを購入するようにしましょう。また、防腐処理が行われているからといってそれを過信してはいけません。ホームセンターなどで販売している防虫グッズを使用して、さらなる対策をしておくことをお勧めします。
ただし、枕木が土に触れている以上、腐食するスピードを遅くすることはできても、完全に防止することはできません。
そのため、定期的に枕木の状態を確認して、シロアリがわいたり腐食してがたついたりしたら交換するようにしましょう。
また、どうしてもシロアリが気になる場合、コンクリートなどでできている疑似枕木もあるので、候補に入れておくと良いです。木材でなければシロアリに喰われる心配もないので、メンテナンスをする必要がありません。
ちなみに、安い金額で売られている枕木や外国産の枕木は品質の悪いものが多い傾向があります。そのため、日本の線路で実際に使用されていた枕木に比べて腐食しやすいので、値段だけで選ぶのは避けましょう。
このページで述べてきたように、枕木は並べるだけで味わいのある雰囲気を演出できます。そのかわり、防腐や防虫対策のメンテナンスが必要になります。
エクステリアは建物同様、何十年も付き合っていく空間になるため、できるだけ手入れをしなくても良い庭造りを意識してプランニングすることをお勧めします。