「庭園」と聞くと、日本に古来から伝わる純和風の日本庭園を思い浮かべる方がほとんどです。
しかし、実は洋風のエクステリアにも庭園は存在します。
例えば、イギリス式庭園の「イングリッシュガーデン」があります。イングリッシュガーデンとは、ガーデニングが盛んに行われているイギリスで多く見られるスタイルの庭を指します。
要するに、草花や植栽で溢れる緑豊かな洋風の庭のことです。これを、イングリッシュガーデンと呼びます。
また、エクステリアを飾るアイテムに木材や天然石などの自然素材を多く使用するため、「ナチュラルガーデン」と表現されることもあります。ガーデニングはもちろんのこと、家庭菜園も庭を飾る一つの要素になります。
そのため、庭いじりを趣味にお持ちの方であれば、楽しみながら庭造りを行うことができます。つまり、「あなた自身で庭を構築できる」ということです。
例えば、駐車場のコンクリート敷き均しやブロック積みのような専門的な技術が必要な場所は専門家に任せて、残りをあなたが草花で飾っても良いです。自分自身で外構工事(エクステリア工事)を行うことになるので、その分の工事費用を削減することが可能です。
マイホームを夢見る方の中に、「ガーデニングや家庭菜園を楽しみたい」と考える方はたくさんいます。その場合、イングリッシュガーデンであれば、その夢が現実のものになります。季節の移り変わりと共に変化していく庭を楽しみながら、自分だけの空間を確立できます。
ただし、イングリッシュガーデンは「適当に草花を植えればよい」というわけではありません。自然体に植えなければ違和感のある見栄えになってしまうため、ガーデニングの基礎知識を学ぶ必要があります。
その場合、イングリッシュガーデンの歴史を学ぶのが一番です。
イングリッシュガーデンの歴史
イングリッシュガーデンを学ぶ際、これと対照的な存在として、「フランス式庭園」が挙げられます。フランス式庭園とは、17~18世紀にかけて、主にフランスで発展した庭園のことを指します。
右の写真のように、植栽や池の配置を人工的に造り上げ、模様を描いていくようフランス式庭園に構成されます。
フランス式庭園は左右対称に造られることが多く、映画やディズニーなどで出てくるお城の庭のほとんどがこれに該当します。また、この時代までは人の手で作り上げる庭が最高の芸術と称されていたこともあり、全世界で同じような庭園が広まりました。
その後、19世紀末になると、人工的に造り上げるフランス式庭園などの様式を否定するガーデナー(造園家)が表れました。それは、イギリスの造園家の「ウィリアム・ロビンソン」と「ガートルード・ジーキル」の二人です。彼らは今までの庭園の常識を覆し、「飾らない庭」を提唱し始めました。
ウィリアム・ロビンソンは「ロックガーデン」と呼ばれる、ガーデニングスタイルを生み出しました。ロックガーデンとは、自然石や岩の間に生息する植物をそのままエクステリアに取り入れるガーデニング手法です。
一方、ガートルード・ジーキルはウィリアム・ロビンソンの考え方に賛同して、植物の配置や色彩計画などを芸術的に追求した人物です。
このとき、ガートルード・ジーキルはガーデニングにおける色彩計画を「カラー・スキーム」と名付け、現在でも世界中のガーデナーへ受け継がれ学ばれています。カラー・スキームとは、色が人に与える「心理的」「生理的」「物理的」な効果を考慮して、目的に合った配色設計を行うことを指します。
そのことから、雑誌やインターネットで紹介されている庭、また街で見かけるガーデニングの植栽の配色は、カラー・スキームの理論に基づいて配置されているのです。
こうして、この二人が生み出したスタイルや理論は全く新しい庭園の造り方を生み出し、イングリッシュガーデンが誕生しました。
もし、「庭の一角にイングリッシュガーデンを採用したい」と考えるのであれば、草花や自然石の配置、さらにはカラー・スキームも学ぶことをお勧めします。
適当に植物を植えただけの庭よりも、はるかに見栄えのある庭を造り上げることができるからです。
ただ、すべてゼロから学ぶのは現実的ではないため、これら「造園造り」に強みをもつ優良業者を探すようにしてください。エクステリア業者によって得意分野や強みは大きく異なるからです。また、優良業者はごく一部であるため、注意深く業者選びをしなければいけません。
これらを踏まえたうえで植栽の大きさや配色に気をつければ、本場イギリスに引けを取らないイングリッシュガーデンを手に入れることができます。