家を建てたりリフォームをしたりする際、「シロアリ対策」を行う方が増えています。日本の気候は高温多湿なことから、どの地域の家にもシロアリが発生する恐れがあるからです。
シロアリ対策えは、巣付いてから対処するのではなく、シロアリの侵入を未然に防ぐことを目的としています。
また、建物は完成してしまうと点検できる場所が限られてしまうため、工事を行うときでなければ予防はできません。これが、家を建てたりリフォームをしたりするときにシロアリ対策を行う理由です。
近年では、シロアリに強い造りの家を売ったりシロアリ対策を標準のサービスとして設定したりしているハウスメーカーも存在します。
ただ、シロアリは建物のみに巣を作るわけではありません。本来、シロアリは自然界に生息しているため、庭にも生息しています。室内に比べてシロアリが繁殖するための環境が整っているため、日本の土壌にはどこにでもいるのです。
そのため、家を建てたりリフォームをしたりするときと同じように、外構工事(エクステリア工事)でもシロアリ対策を行う必要があります。
手入れのいらない庭を造り、シロアリを寄せ付けないようにする
エクステリア内でシロアリが好んで巣をつくる場所は、木が圧倒的に多いです。外にある以上、雨に濡れたり土に触れたりするため、防虫加工をしていない木材があればすぐにシロアリがわきます。
そのため、エクステリアで使用する木材は防腐処理を施してあるものを選ばなければいけません。また、防虫加工をしていなければ、シロアリ被害にあう可能性があります。
例えば、枕木(線路の下に敷いてある木材)やウッドデッキは外構工事でよく採用されるエクステリア製品です。そのため、価格やデザインを気にするのと同時に、防腐処理と防虫加工をしてあるかどうかを確かめる必要があります。
枕木の場合、土中に刺して門柱にしたり土の上に並べたりするため、特に注意が必要です。
外国産の枕木や安い製品を購入してしまうと、特殊加工が弱い場合が多いので、すぐに腐ったりシロアリがわいたりしてしまいます。
このようなリスクを防ぐために、きちんと防腐・防虫加工をしてある日本製の枕木を選ぶことをお勧めします。
ただ、どれだけ特殊加工を施してある高品質な枕木を購入したとしても、月日が経つとその効果は薄れていきます。建物はコンクリートの上に建っているのに対して、枕木は土に直接触れている上に雨や風などの自然環境の中で劣化するスピードが早いからです。
そのため、定期的にシロアリが生息していないか確かめたり、防腐・防虫加工をし直したりするなどのメンテナンスが必要です。
しかし、「手入れをするのが面倒」という方は多いです。その場合、本物の枕木と見分けがつかない疑似枕木を採用すると良いです。疑似枕木はコンクリートなどでできているため、手入れを行う必要がありません。木材ではないため、シロアリの食害を受けにくいので安心して庭に配置することができます。
※シロアリは鉄とガラス以外を食べます。屋外にあるものでコンクリートを好んで食すわけではないため、シロアリが巣を作りづらいです。
なお、庭にシロアリが巣を作ったからといって、必ずしも建物まで食害にあうわけではありません。しかし、外構と建物は同じ敷地内で共存する場所です。そのため、シロアリの大量発生を未然に防ぐことにこしたことはありません。使用する材料の質も気にしながら選ぶようにしましょう。
一方、ウッドデッキも枕木と同様に、シロアリの被害にあう可能性の高い製品です。そのため、ウッドデッキを選ぶ際は枕木と同じように考えて購入する必要があります。
さらにいえば、ウッドデッキは建物と隣り合わせに設置するケースが大半です。
もし、ウッドデッキがシロアリ被害にあってしまい、それに気付かずにいると家の方へ侵入してくる可能性が高いです。
そのため、製品選びは外構工事で使用する材料の中でも慎重に選ばなくてはいけません。
安いウッドデッキを購入したばかりに、新築からわずか5年程度でシロアリが巣を作っていたという話は多いです。たとえ建物へシロアリが侵入しないとしても、床が抜けたり手すりが取れたりして事故につながる危険性もあります。
そのこともあり、人工木や疑似木などでできたウッドデッキを購入される方はたくさんいます。
ただし、天然木でもシロアリに強い木材や加工をしてある製品も存在します。そのため、こだわりのある方や「こまめに手入れをすることができる」という人は天然の木材でできたものを購入しても良いです。
エクステリアは建物と同じように、何十年も付き合っていく空間です。見栄えや値段だけで工事内容や材料を決めるのではなく、メンテナンスのことも考慮してプランニングするようにしましょう。そして、手入れ不要の外構を構築して、シロアリの被害にあいにくいマイホームを手に入れてください。