庭の植栽を枯らさない2つのポイント:施肥(肥料)について

植栽施肥

外構工事(エクステリア工事)で植えた植栽を枯らさないためには、こまめなメンテナンスが必要になります。特に、庭の完成時の植物は十分に育っていない上に、移植や土質の変化で弱っています。最低でも、一年間はきちんと水やりを行い、新しい土地に根を張るまで育て上げる必要があります。

植栽後、一年以上経過した植物であれば、その土地の環境にも慣れて元気に成長し始めます。

ただし、10年後、20年後先も健康な樹体を保つためには、定期的に堆肥(たいひ:肥料のこと)を与える必要があります。もちろん、肥料を与えなければ樹木が枯れるわけではありませんが、健康で丈夫な植栽に育てるためには施肥(せひ:堆肥・肥料を与えること)は必要不可欠です。

また、花数を増やしたり、質の高い身を収穫したりするためには、その成長過程で肥料を与える必要があります。

ただ、ガーデニングや家庭菜園を趣味にお持ちの方でない限り、草木にどのように施肥を行えれば良いか分からない方は多いです。

そこで、このページでは施肥を行う際に、気を付けなければいけない2つのポイントを紹介します。これを学ぶことで、肥料の適切な与え方が分かるだけでなく、大切な植物を健康状態のまま育てることが可能になります。

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施肥のポイント1:「肥料は与えれば良い」というわけではない

先に述べたように、植栽直後の植物は弱っています。ただし、弱っているからといって肥料を与えれば良いというわけではありません。

植え付け後1年は元気が無いので、樹木に堆肥を与えても無意味です。移植するために根を切って小さくしてあるため、あまり養分を得ることができないからです。それどころか、根がしっかり張る前に肥料を与えてしまうと、根が痛み、さらに弱ってしまうことがあります。

植栽直後に大切な行動は、「水やり」です。きちんと水やりを行うことで、植物は少しずつ養分を吸い上げ、根を張り、力強く育っていきます。そして、一年後以降も見栄えのある外観を保つために、少しずつ肥料を与え、健康状態をキープしていきます。

ただし、施肥が始まった後も水やり作業を怠ってはいけません。養分を吸い上げるためには、地中に水分が必要です。

要するに、「最初の一年間は養分を吸い上げるための根を水やりで増殖させ、根が成長したら肥料を与えて成長を促進させる」ということです。施肥も水やりも大切なメンテナンス項目なので、面倒くさがらずに行うようにしましょう。

ポイント2:施肥を行う時期

主に施肥を行う時期は、冬場(12~2月)です。冬に与える肥料を「寒肥(かんぴ・かんごえ)」と呼びます。寒肥は秋の芽出しを助け、その後の成長を盛んにするために施します。

このとき、土壌中の微生物が活性化するように、油粕や骨粉、鶏糞、堆肥などの遅効性(ちこうせい:作物を施してから効果がでるまでに時間のかかること)の有機肥料を使用しましょう。また、発酵済みの肥料は効き目が早いため、一カ月遅く施すと良いです。

花や実を付ける樹木の場合、翌年も良い花や実を付けるように、花や実が咲き終わった後で液肥(えきひ:液体の肥料)などの即効性の高い肥料を与えましょう。このように、花や実を付けた後に肥料を与えることをお礼肥料(おれいひ・おれいごえ)と呼びます。

植物をメンテナンスする際に役立つ、植栽のお手入れ・年間スケジュール表を見ながら、肥料を与える時期を確認しましょう。以下の図をご覧ください。

図を確認すると、一年間で3回の施肥が必要なことが分かります。また、根から吸い上げた養分が必要な部分に行きわたるのを手助けするための剪定(せんてい:枝葉を切り落として形を整えること)も忘れてはいけません。

きちんと剪定されていない植物は、風通しが悪くなり、病気や害虫にかかりやすくなってしまうので要注意です。

なお、施肥を行う際は、樹冠(じゅかん:枝や葉、あるいは花が咲いている場所のこと)の周りを重点的に施すようにしましょう。肥料の与え方のパターンをまとめたので、図を確認してください。

敷地の大きさや植栽の間隔、または植物の大きさに合わせて施肥の方法を選び、適切な肥料を与えるようにしてください。

なお、エクステリア工事で植えた植栽に対しての適切な施肥の方法は、外構工事を依頼した業者に尋ねれば分かりやすく説明してもらえるので、必ず確認するようにしましょう。

肥料に含まれる主な成分の例をいくつか挙げるので、肥料の種類を選ぶ際に役立ててください。

 ・リン酸(P)……開花を促進する。若い植物や移植された植物には重要な要素
 ・カリウム(K)……ストレス(排気ガスや土質)に対する抵抗力を付ける
 ・窒素(N)……新芽や葉、茎の成長を促進して色を濃くする。不足すると葉付きの悪い植物になる

ただし、前述の通り、肥料を与えればよいというわけではありません。植えてある植物に対して適切な肥料を選び、用法用量を守って与えることで、初めて肥料の力が発揮されるということを忘れてはいけません。

このページで述べてきた通り、植物が健康に育つためには堆肥が必要不可欠です。面倒くさがらずに手入れを行うことで、見栄えのある外観を保ち続けることができます。健康で活き活きした植物が育つ庭は、世帯主の思い入れが表れるといっても過言ではありません。

また、草木を手入れすることを楽しむことで、ガーデニングや家庭菜園が趣味になる可能性もあります。もし、「隣近所のエクステリアとの差を付けたい」と思うのであれば、こまめに手入れを行い、見栄えのある外観を保ち続けてください。

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