外構工事(エクステリア工事)を行おうと考えたとき、誰しもが「工事費用を安く抑えたい」と考えるはずです。しかし、まっとうな業者が行う外構工事は手間暇がかかるため、大幅に工事費用を下げることは難しいです。また、質の良い工事を行うためには、十分な予算が必要になります。
一方で、安さを武器にお客様を集めている業者が増えています。「地域ナンバー1の安さ」などを提唱して工事の契約を結ぼうとします。工事費用を削減するためには、扱う材料の質を落とすか手抜き工事を行わなければいけません。
例えば、本来行わなければならない工程を省くことで、工期(工事期間)を短くすることが可能です。また、質の良いブロックやフェンスで見積もりを出したにも関わらず、安物の材料を使用して利益を上げている業者も存在します。
このようなやり方を行う業者は、まさに「悪徳業者」です。実は、外構工事を行っている業者のほとんどがこのようなことを行っています。
ただ、優良業者であれば、きれいな工事をスピーディーにこなせます。質の良い工事を手際よくこなすことで、工事費用を抑えている凄腕の業者がいることは確かです。しかし、このような優良な業者は、一握りしか存在しません。
外構工事を行う上で、「業者選びが一番大変」といわれるのにはこのような理由があります。業者選びを妥協して、安さを追求したその先には悪徳業者が待ち構えています。悪徳業者がどのようにして利益かあげているのか、以下にまとめました。
手抜き工事をさせないための豆知識
私が職人だった頃、外構工事を施工している職人さんが、手抜き工事や水増し請求などを行っている場面を数多く見てきました。この情報をもとに、現場の裏側についても話します。
例えば、駐車場工事は手抜き工事を行いやすい工事です。駐車場をコンクリート舗装にする場合、コンクリートと下地に使用する砕石(砂利)分の地盤を掘り下げなければいけません。
地盤を掘り起こすと、残土(掘り起こした土)が出ます。この残土は、処分場へ運んで、有料で処分する必要があります。
実は、この残土処理で不正を行っている業者が存在します。
例えば、一般住宅の駐車場工事で、右上の絵のように20cm以上掘り下げると見積書に書いてあるとします。これだけの量の土を掘り起こすと、残土処理だけで数万円~十数万円の金額がかかります。
そこで、掘り下げる深さを10cmにすれば残土処理の金額が半分浮きます。また、10cmしか掘り下げないということは、必然的にコンクリートの厚みが薄くなります。材料の中でコンクリートはかなり高額なため、数量を減らすことで儲けが出るということです。
なお、車などの重いものが乗る駐車場は、最低でも10cm以上なければ簡単に割れてしまいます。
駐車場のコンクリートの中には、右の写真のような網目をした鉄筋を入れなければいけません。これをワイヤーメッシュと呼びます。
中でも、ひどい業者だと見積もりにワイヤーメッシュの料金を入れているにも関わらず、実際行う工事の際はワイヤーメッシュを入れない業者がいます。工事の証明写真を撮る場所だけにメッシュを敷き、あとはコンクリートをそのまま流し込みます。
つまり、残土処理の料金を浮かせ、コンクリートを薄く敷均した上に、中に鉄筋すら入れない業者がいるということです。このような工事をすると、コンクリートは簡単にひび割れ、すぐにぼろぼろになります。一か所割れてしまうと、コンクリートは連鎖するようにひび割れが広がっていきます。
お客様は正規の金額を支払っているにも関わらず、このような水増し請求や手抜き工事を平気で行っているのです。ただ、駐車場のコンクリートの場合、仕上がってしまうと表面しか確認することができません。そのため、仕上がりさえきれいにしてしまえば、素人さんが手抜き工事を見抜くことは不可能に近いです。
美しい仕上がりに満足をしてお金を支払ったとしても、半年も経たずにボロボロになってしまいます。
そこで、これらの不正を行わせないために、毎日工事内容の確認をする必要があります。例えば、スケール(ものさし)を持ち、適切な厚みを確保しているかどうかを確認するようにしてください。こまめに現場に出向くことで、職人さんは手抜き工事を行うことができなくなります。
ただ、このような不正ばかりを行っている業者はいますが、お客様のことを第一に考えている業者が存在していることを忘れてはいけません。専門知識と確かな技術力を持ち合わせた外構専門業者(エクステリア業者)であれば、少ない予算内で「あなたに合った最高のプラン」を提案してくれます。
高額な外構工事にお金を支払うのはあなたです。優良な業者を見つけ出し、最高にクオリティーの高い工事を行う業者へ、気持ちよくお金を支払えることが「外構工事で満足する」ことに繋がります。