外構に植えられる植物の中で、近隣住民に嫌われる植栽があります。外構工事(エクステリア工事)を行う際は、近隣住民への配慮を怠ってはいけません。例えお隣さんと仲良くしていたとしても、小さなトラブルから関係がこじれてしまい、仲が悪くなってしまう方はたくさんいます。
そもそも、草花が原因で揉め事になってしまったとしても、植物に責任はありません。ただ、近隣住民に嫌われる樹木が存在するのは事実です。
特に、住宅が密集している都心部の場合、木の特性や大きさ、あるいは害虫が付きやすいかどうかをきちんと考慮してください。これを踏まえて植栽プランを考えなければ、必ずトラブルの原因になります。相手の立場になったとき、あなたが嫌だと思うことは極力避けなければいけません。
そこで、周囲に嫌われる草木の種類をいくつか紹介します。これらを踏まえ、樹木を植える際は細心の注意を払ってください。
アレルギーを引き起こす樹木
植栽の中でも、アレルギーを引き起こす樹木があります。特に、花粉症などのアレルギー体質の方はたくさんいるため、細心の注意を払う必要があります。
ただ、アレルギーの原因となる草木は無数にあり、アレルギーの発症には個人差があります。それどころか、アレルギーを引き起こすと言われている植物を植えたからと言って、必ず発症するとは限りません。
それでも、都心部のような住宅密集地のような場所で、花粉症の一番の原因とされるスギやヒノキを植えるのは避けた方が無難です。あなたの家に植えてあるスギやヒノキが花粉症の原因ではないとしても、アレルギーの方からすれば、悪いイメージしか与えません。
また、花粉症以外のアレルギーを引き起こす樹木はたくさんあります。気に入った植栽を見つけた際は、外構専門業者(エクステリア業者)に「この樹木はアレルギーを発症する可能性はありますか?」と尋ねてみましょう。分からないことがあれば、専門家を頼ればすぐに解決できます。
害虫が付きやすい植栽
アレルギー発症の恐れがない植栽を植えたとしても、剪定(せんてい:枝や葉を切り落とすこと)などの手入れを怠ると、害虫を呼びやすくなります。
枝葉がうっそうと茂り、日当たりや風通しが悪くなると、湿気が溜まりやすい庭になってしまいます。すると、日照条件も悪くなり、草木は弱りやすくなります。植栽が弱ると、害虫の発生しやすい状況に陥ってしまいます。
特に、都心部ではヒートアイランド現象(都市部の気温が周辺の郊外部に比べて高温を示す現象)の影響を受け、数年前では生息しているはずがない害虫の発生が報告されています。各地方によって発生しやすい害虫が異なるため、外構専門業者に害虫対策について細かく聞いておくことをお勧めします。
デザインや値段で植栽を選ぶのも良いですが、各植物の害虫発生頻度についてのチェックは必須です。
ただ、草木の手入れを行うのが面倒くさいと考える方が多くいるのも事実です。そのため、メンテナンスを行わずに荒れ果て、害虫だらけになってしまっているお宅はたくさんあります。こうなってしまうと、手入れを行う気になれません。だからといって、業者に管理してもらうには費用がかかってしまいます。
そこで、あらかじめメンテナンスのいらない植栽を選ぶことも大切になるため、頭の中に入れておいてください。
落ち葉や枝葉が敷地をはみ出す
隣近所へ植栽の落ち葉や枝葉のはみ出しが発生した場合、トラブルの引き金になります。クレームを付けられた後、協議の結果あなたが対処しなければいけないパターンが多いです。そのため、敷地の境界に植える植物は慎重に選ばなければいけません。
樹木は植えてからも成長するため、大きくなったときのことをきちんと考える必要があります。樹高(樹木の高さ)は三年後に1.2倍、5年後には1.5倍になると言われています。そのため、植栽の配置が重要です。
例えば、ツル性植物を隣近所との仕切りである塀に絡ませた場合、時間の経過で塀の上部に葉が密集し、隣りの敷地へはみ出してしまいます。そうならないために、こまめな手入れを行うようにしてください。
また、落葉樹(一定の季節に葉を落とす樹木)を境界付近に植える場合、落ち葉が隣近所へ舞い落ちないように注意を払う必要があります。
ただ、風の影響で落ち葉が隣近所へ入ってしまう可能性があります。これは仕方のないことであり、避けることはできません。落ち葉一枚でトラブルに発生する確率は極めて少ないため、安心してください。
ただし、落ち葉に関しては常識の範囲内で考えなければいけません。多少の落ち葉が隣近所に入ってしまうことは仕方ないとしても、落ち葉を落として良いというわけでは決してありません。落葉樹を庭に植える際は、極力落ち葉が隣近所へ落ちないところへ配置するようにしましょう。
このページで述べてきた通り、些細なことで近隣住民とのトラブルに発展します。ご近所さんと仲良く過ごしていくためにも、嫌われる植栽はなるべく避けるように心がけてください。