植栽を用いる外構工事(エクステリア工事)を行うとき、植栽がもつ「葉の特性」を理解しておく方が良いです。なぜなら、植物一つ一つの名前が異なるように、植栽の特性も千差万別だからです。
例えば、季節の変わり目に葉を落とす落葉樹や、害虫が付きにくい木などが存在します。植栽の特性を理解していなければ、落ち葉や害虫で後悔してしまう可能性があります。
木々の特徴をいかすことで、あなただけのプライベートガーデンを作り上げることができます。さらに、配置や色使いを工夫することで、建物の品格が向上します。
建物のイメージに合わせて植栽のプランニングを行うことで、全く新しい空間を演出できます。
透ける葉を利用し、透明感のある庭をプランニングする
建物のイメージに清潔感や透明感を出したいとき、太陽の光を上手に利用しましょう。「日光をよく透過する葉」をもつ樹木を取り入れることで、庭や建物に淡い木漏れ日を届けてくれます。
また、樹木の葉は大きさや形が異なるばかりではありません。暑さや質感、あるいは咲く花の色なども異なります。
例えば、ハナミズキやヤマボウシなどの樹木の名前を聞いたことがあるかと思います。これらは外構工事を行うお客様の中でも、日の光をよく通す人気の植栽です。
背丈は2~4mまで成長するため、家のシンボルツリーにする方はたくさんいます。葉をつけただけでは見分けがつかないほどそっくりですが、花を咲かすと一目瞭然です。
また、秋になると美しく紅葉します。四季を楽しむことができるため、一年中見ごたえがあります。これら以外に日の光を透かす葉を持ち合わせている樹木として、ハゼノキやオオモミジ、アブラチェン、エゴノキ、トウダンツツジ、クロモジなどがあります。
ちなみに、日の光をよく透かす葉を持つ植栽は、紅葉するものが比較的多いです。上記の樹木は秋になると紅葉するため、紅葉した葉を通過した赤や黄色の光で溢れる庭になります。天気の良い日に庭へ出れば、自然が織りなす芸術を堪能できることでしょう。
薄暗い裏庭を照らし出す植栽テクニック
建物北側や日陰になりがちな場所は、どうしても暗く陰気な雰囲気になりがちです。湿気も溜まりやすく、コケやカビが発生する原因になりかねません。
そこで、明るい葉の植栽を活用して、薄暗いイメージから明るい印象へと変換するテクニックを紹介します。
薄暗い庭を明るくするためには、「光をよく反射する葉」をつける樹木を活用します。この特性を持つ樹木は、常緑広葉樹(紅葉せず、葉が広く平たい木)に多く見られ、「照葉樹」と呼ばれています。薄暗くなりがちな裏庭へ照葉樹を植えることで、明るい印象を与える庭へ早変わりします。
中でも、ツバキ類やサザンカ類、またはモッコクなどが和風庭園ではよく用いられます。
照葉樹を植えるポイントは、「わずかな光でも当たるように配置する」ことです。また、葉の色に特徴のある樹木を取り入れることで、庭全体を明るい印象に変えることが可能です。
例えば、ギンドロと呼ばれる照葉樹を用いるお宅は多いです。葉の表は青々しく輝いているのですが、葉の裏側は白色をしています。
ギンドロが風で揺れると、光が当たらなくても輝いて見えるのが特徴です。オリーブやフェイジョアも同様です。
また、グミギルトエッジと呼ばれる、縁取りのある植物を植えても庭は「明るい印象」になります。
暗いイメージを持った庭に明るい色の葉が揺らぐことで、鮮やかさも加わります。
和風住宅もしくは洋風住宅であっても、プランニング次第で調和が生まれます。ぜひ取り入れてください。
紅葉や黄葉のバリエーションを活用する
秋の庭に彩を与える木々の紅葉は、赤色や黄色だけでなく、赤茶色や橙色など、さまざまなバリエーションが存在します。また、形を見ても丸い葉やもみじのような形をしているもの、あるいは鳥の足跡のような形をしたものまであります。
植栽のプランニングを行う際は、樹木の印象だけで決めてはいけません。値段やメンテナンスについてはもちろんのこと、色や形、さらに葉の大きさまで検討したいところです。
庭木を美しく紅葉させる条件は、色々な説があります。中でも、一日を通して寒暖の差が大きいことが紅葉させるときのポイントです。そして、土壌に十分な水分が染み渡っている必要もあります。昼夜問わずに暖かい場所や、照明などが当たるところではきれいに紅葉しません。
また、紅葉の色は日の光を浴びる場所とそうでない場所で色合いが変化します。紅葉している樹木であっても、葉が折り重なって日光が届かない場所は黄色というパターンも珍しくありません。
こうした日当たりまで考慮して配植(植栽を適切な場所へ植えること)を行うことができれば、庭はさらに彩り豊かな外観へと生まれ変わります。
このように、植栽には無数に特性があります。これらの中で、あなたの希望に合った植栽を選ぶことで、理想の外構へ近づけるはずです。