外構工事(エクステリア工事)のプランニングをする際、数十年先も快適に使用できる庭を考えなければいけません。数年間は見栄えのある外観を保てるとしても、十年後にみすぼらしい外観になってしまっては元も子もないからです。しかし、大半の方はデザインや価格で工事を行ってしまいます。
そうはいっても、外構工事に高額な費用をかけたとしても、数十年後も同じ品質を保つ外構を作ることはできないことも事実です。コンクリートやブロックなどを主体とした外構にすれば、メンテナンスフリーの庭を実現できます。ただ、これら人工構造物は長い年月雨風にさらされ続けると、風化して黒ずんでしまいます。
製品自体の品質は保たれているとしても、目に付く表面の風化を防ぐことはできません。外構工事直後と同じ見栄えを保つためには、定期的な手入れを余儀なくされます。そのため、メンテナンス費用が永遠と必要になります。。
そこで、植栽をメイン取り入れた外構工事を行うことで、風化の問題を解決できます。草木は年月を経ても風化することはありません。むしろ、樹木が成長したり剪定(せんてい:枝葉を切り落とすこと)をしたりすることで味のある外観になります。
また、手入れをご自身で行うことで、管理費は一切かからなくなります。それどころか、楽しめる植栽を植えることで、いつまでも飽きのこない外構を実現できます。
香りを楽しめる植物を植える
花の匂いを一度は嗅いだことがあるのではないでしょうか? 植物は目で楽しむだけでなく、香りで楽しむこともできます。色合いや形状だけで草花を決めるのではなく、匂いも判断基準になります。
花の香りは人の気持ちをリラックスさせるだけでなく、季節の変わり目を知らせる合図にもなります。春になれば桜が香り、秋になればキンモクセイの匂いが四季の訪れを教えてくれます。
庭いっぱいに香りの良い植物を植えると、植物特有の自然な雰囲気が漂います。すると、色鮮やかな外観の中で、草花りを楽しむことができるようになります。
ただ、香りは人によって好みが異なるため、実際に確認してから選ぶのが無難です。雑誌やインターネットに「良い香りがします」と書かれていたとしても、必ずしもあなたの好きな匂いだとは限りません。香りで植栽を選ぶ際は、必ず匂いを確かめておきましょう。
ガーデニングなどで植える植物であれば、ホームセンターや園芸センターへ行けばたくさんの種類の草花があるので、一度足を運んでみてください。そこで気に入った植物を見つけたら、店員さんに植え方や育て方を尋ねてください。
ちなみに、植物の香りは「花」「幹」「葉」「実」に分けられるため、それぞれの匂いを確かめてみましょう。
食を楽しめる植物を植える
植栽の中でも、果樹(食用となる果実をつける樹木)は実を食べられるのはもちろんのこと、同時に香りも楽しむことができます。さらに、果実の色も加わるため、庭に彩を添えることも可能です。遊び心のある庭を作る場合には非常に効果的です。
例えば、人気の果樹であるナツミカンやキウイを庭に植えるとします。見栄えが良くなるばかりではなく、果実の香りが庭に漂い、訪れた人の気持ちを和ませます。また、食卓に並ぶデザートとして楽しむこともできます。親子で一緒に育てると、家族の交流に繋がります。
野菜も果樹と同じです。野菜には葉色や花が驚くほどきれいな種類があります。食用ばかりではなく、観賞用として取り入れられることを覚えておいてください。
ただ、土質(土の質)が悪い場所の場合、土の入れ替えが必要になります。土の中にゴミや砂利が混ざっていると、植物の成長に影響が出てしまいます。外構工事で花壇や畑を設ける際は、できるだけ良い土に入れ替えるように心がけてください。
土質の悪い家庭菜園で育てた野菜や果物を食べると、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、工事を行う際は「この土で家庭菜園をしても平気ですか?」と尋ねてみましょう。もし、外構工事専門業者(エクステリア業者)の判断で入れ替えが必要になった場合、土の入れ替えを行うようにしてください。
ただし、外構専門業者の中には悪徳業者が紛れ込んでいます。悪徳業者は必要のない土の入れ替えを無理に進めてくるため、業者選びは慎重に行わなければいけません。「土を入れ替える必要がある」と言われた場合、なぜ入れ替えなければいけないのかを納得のいくまで尋ねてみましょう。
このように、単に楽しめる植物を植えれば良いわけではありません。良好な植栽を育てるため、良質な環境が必要になります。数十年後も楽しむことができ、飽きのこない外構を目指すためには、お金をかけるべき場所への投資は惜しまずに行いましょう。